ピアニスト (字幕版) 2002

芸術とは妄想でできている。妄想というのが極端だとすれば、人とは違う感性であったり、考え方をもっている人が芸術という領域にはいるらしい。

ただ、それはあくまでも妄想であり、現実とは違う。現実とは他人がいる世界である。

他人とのコニュニケーションで世界をつくっていくのが現実であり、その方が楽しいし、想像力がわく。

しかしながら現実が遠ければ遠いほど、あるいは現実に触れる機会がなければ、妄想は暴走し、現実と衝突して妄想は傷つき、壊れてしまう。

そんな感想をもった映画だ。

厳格な母に育てられたエリカ。適齢期をとうに過ぎ、ウィーン国立音楽院のピアノ教授となった今も、流行の服も恋愛も許されず、母と二人で暮らしている。ある日、エリカの前に、彼女を一途に愛する美しい青年ワルターが現れる。しかし、エリカは歪んだ秘密を抱えていた…。後に、『白いリボン』(09年)、『愛、アムール』(12年)でカンヌ国際映画祭パルム・ドール<最高賞>を受賞するミヒャエル・ハネケの代表作。本作でも2001年カンヌ国際映画祭主要3冠に輝いた。シューベルトショパンブラームスの美しい調べにのせて描かれる不穏な愛の形、一変して長い無音に閉じ込められる息をのむラストシーン!観る者の心に深く突き刺さる、力強く繊細で、切なくセンセーショナルな衝撃愛!

(C)2001 Wega Filmproduktionsgesellschaft MBH / MK2 SA / Arte France Cinema/ Les Films Alain Sarde.
主演: イザベル・ユペール, ブノワ・マジメル

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再生時間:2 時間, 10 分